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(自説)北海道新聞の調査報告書 報道機関なら非会員にも公開を

旭川医科大で取材中に北海道新聞の記者が逮捕された事件で、同社が調査報告書を掲載した。掲載したのは7日付朝刊紙面と会員限定のウェブ記事だ。

 

普段はマスメディアとして声高らかに「知る権利」、「情報公開を」と叫ぶが、自らが当事者となると普段糾弾する側とやっていることが変わらない。道新はJ-CASTの取材に「たんなる興味本位や冷やかしではなく、会員登録の手間をかけても読みたい方に読んでいただきたい。会員登録が大きな障壁であるとのご指摘は当たらないと考えます」と答えている。

 

社会的な関心事である調査報告を「会員にならなければ閲覧できない」というのはいかがなものか。意地悪い見方をすれば「会員数を増やす材料にした」とも言われかねず、自らに不利益な情報を極力隠したいとも捉えられかねない。いずれにせよ、逆に取材して追及する立場であれば「公開するべきだ!」と叫んでいたのではないか。読者はこうした矛盾する姿勢を敏感に感じ取り、信頼を失っていく。普段、報道機関として追及していることから考えれば、非会員にも調査報告を公開すべきだ。

 

実際に調査報告を見てみると、ところどころ疑問点が湧いてくる。事実経過として「記者は午後4時25分ごろ、会議が行われている可能性がある4階に向かうように指示されました。電話や無料通信アプリのLINEで複数のやりとりがあったため、キャップがこの指示を出したのか、別の記者なのか、はっきりしません」という記述がある。

 

LINEでやりとりをしていたというなら、会話ログが残るはずだ。通話機能を使っていたとしても、逮捕された当該記者や、キャップなどに事情聴取をすればわかるはず。それがはっきりしないとはどういうことか。本人たちが答えないということなのか、疑問が残る。

 

さらに私人逮捕の逮捕要件にあてはり、記者が逮捕されるという前代未聞の原因となった名乗らず立ち去ろうとしたことについて気になる記述がある。「取材目的であると告げるべきだったが、動揺してできなかった」ことは理解できるとしても、「キャップや別の記者から、校舎内で身分を聞かれてもはぐらかすように言われていたことも影響しました」と書かれている点はどうも腑に落ちない。

 

正当な取材活動ならば、なぜキャップや別の記者は「はぐらかすように」と指示をしたのか。記者であり、取材活動だったと言えば「逮捕」されず、厳重注意や記者会見の締め出しなど別の措置を取られていたかもしれない。その意味でこの「はぐらかす指示」はこの問題の大きなポイントの一つだと思うが、はぐらかすという指示の正当性が全く言及されていない。

 

釈然としない調査報告を見てしまった以上、報道機関視点でいえば「記者会見を開くべきでは」と言うべきだろうか。今後の北海道新聞社の姿勢次第で「信頼できるメディア」か、読者が判断するだろう。


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