<派遣の仕事する日記>新たな出会いと別れ 「別れはその人を表す」

2023.4.15
text byMATSUMOTO SHIGEMUNE

春は出会いと別れの季節と言いますが、まさに私の職場でも「出会い」と「別れ」が交互に訪れています。

出会い

4月から新たなメンバーが1人増えました。5月からは私と2人だけで業務にあたることになるので、勝手な言い方ですが「相棒」になる方です。2人で協力しながら仕事を進めていくことになります。

毎回仕事をしていると新しい方が入ってくるたびに、転校生がやってくる時のように「ワクワク」してしまうのは私だけでしょうか…。

今の仕事はマニュアルが存在しないので、私が自分で作ったオリジナルの業務マニュアルを「業務を把握してもらうのに使ってもらおう」と、前日にマニュアルを修正。新人さんがやってくる朝、50ページ近いマニュアルを印刷したんですが、そんな時に限って印刷機が紙詰まり。遅刻しそうになってめちゃめちゃ焦りました…。当日、無事渡すことが出来ました。

すると、この新人さんがめちゃくちゃ凄い人でした。僕が3週間かけてようやく覚えた仕事を3~4日でほぼ把握。自分から率先して動き、コミュニケーション力が高くすぐに職場に馴染み、愛嬌もあって可愛らしい一面も。そして処理力も早くて隣で作業する機会があったのですが、処理する内容物によって違いがあるので単純比較はできませんが普通に完敗しました…。なんやこの完璧な即戦力、隙がなさすぎる…。

処理力で完敗したのが悔しくて、翌日自分の作業のやり方を見直すことに。まず先輩御姉さんから以前に聞いた「1日の処理目標」から、1件にかけられる処理時間を計算。そこから横からチラ見していた新人さんの効率的なやり方を盗み、さらに自分なりに効率的になるように考えてみました。すると次の日、処理速度が一気にあがって過去最高の処理件数に。処理数が少なかったので目標件数には届きませんでしたが、ペース的には目標処理券数を少し上回るくらいでした。

入ってすぐに人にまで影響力を与える恐るべきそして頼りになる新人さん。同世代で一緒にいて話をするのもとても楽しく、早くも「入ってきてくれてありがとうございます」っていう感じです。あ、そういえば唯一弱点「虫」でしたね(笑)。

別れ

昨日、ずっと私を指導してくれた御姉様の一人が退職されていきました。

少し人見知りするという若い御姉様でしたが、派遣チームのムードメーカーであり、ポソっとつぶやく一言が面白くて笑顔が素敵な方でした。職員の方からも大変愛されていました。

仕事面でもチーム1の処理力の高さで、1日の目標件数を大幅に超える記録をもっていらっしゃいます。僕ならさらに半日必要なくらいの…。処理件数が大量の場合はこの御姉様が処理したほうがいいって任されるほどチーム内でも一目置かれていました。

最終日が近づいてくると「辞めたくないよ~」、最終日当日も「終わりたくないよ~」ってずっとおっしゃっていて、いまの職場の人間関係や環境がお好きなようでした。確かに人間関係は仕事に大きく影響しますし、「嫌な人がいない」というのはかなり貴重な仕事環境だと思います。自分が「嫌な人」に入っていなくてよかったです(笑)。

定時で仕事が終わると、多くの職員の方が挨拶に来られて「寂しい」「お世話になりました」と続々と挨拶。抱き合っていたり、職員の方からプレゼントをたくさん受け取っていました。私と新人さんは「手紙」と「プレゼント」を同じタイミングで渡そうと話し合っていたので、機会をうかがっていました。そして新人さんとアイコンタクトでプレゼントを取り出し、まず新人さんが「あの…〇〇さん…これ!」って差し出すと、「あ、俺もです!」って自分もプレゼントを渡すと、「え~~~」「ずっと我慢してたのにやめてよ~」と言いながら目から涙が。普段、笑顔を絶やさない人の我慢していた涙が溢れる瞬間を見るともらい泣きしそうになりました。最近こう言うの弱い…

最後に改めて挨拶をすると、もう一人の御姉様と退職される御姉様は別の部署に挨拶に行かれ、新人さんと玄関まで歩きました。「短期の仕事であれだけ愛されているの凄いですね…」「確かに。僕たちもああなれるように一緒に頑張りましょう!」「そうですね!頑張りましょう」って会話を交わしました。

「人との別れはその人を表す」。御姉様の人柄が素晴らしかったからこそ、「素晴らしい別れ」を見ることが出来ました。来週から寂しくなりますが、僕たちも「前任者の方たちの方が良かった」とか、御姉様たちが築いてきた職員さんからの信頼を損なわないようにしっかり業務と向き合いたいと思います。

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